バランスホイールを考える上で、2022年は私にとって重要な年となりました。詳細は伏せますが、昨年、自分が複数人の介助/介護者となり、これまでの生活が一変しました(専門職にも入ってもらい不足部分をケア・サポートする係)。
慣れないことが頻発し、悩み、右往左往しながら、ふと気づいたのは「これ、実は want to なのかも」ということでした。コーチングのゴール設定で「want to = 止められてもやりたいこと」という表現が度々出てきます。want to は、人に止められても、お金になるどころかマイナスになってもやりたいこと、です。
ずっと仕事や趣味優先で過ごしてきた自分が、なぜかすべてをセーブして家族との時間を優先していました。状況的に仕方なく... と思っていましたが、違いました。なぜなら、決断次第では「必要以上に関わらない」「他人に任せる」こともできたから。
そうしなかった理由が明確になく「ただ、やりたかったから」が、今のところ、一番しっくりきています。
そして「want to だ」と気づいてからは、途端に忙しさが充実感に変わり、どうしたらもっと良い状態になるか、もっと楽しめるかを考え、何か見えていないことがあるはず、とスコトーマを探し、ゴールをイメージし、あれこれ、いろんなことを試しています。
認知機能の変化を目の当たりにすると「脳と記憶が変わると人はこんなにも変わることができるんだ」ということに驚きます。都合の悪いことをすべて忘れると、人って本当に幸せになれるんですね。「過去は関係ない」と認知症が、意外にも結びつく? 瞬間もありました。
これはコーチングを学んでいなければ得られなかった視点で、この視点があるからこそ、発見や楽しさが生まれ、日々の考察のタネにもなっています。
そんな時間を過ごす中で、博士が著書に記されている「コーチングとはインベストメントではありません。人が生きるプリンシプルを伝えるものです」という言葉が、本当に身に沁みます。
バランスホイールの「バランス」をどう取るか。これを考えた時「家族」、特に「介護」はとても難しいため、その分、やりがいのある分野だと思います。
あくまでもバランスホイールの1つとして、そして人間の老いや生死に触れる時間として、これからも家族との時間を豊かなものにしていきたいな、と思っています。