沼田 そうですね。それで最初に話した矛盾が生じるっていう話ですよね。自分が解決しますよってことなんですけど。今話したこと、思いを継ぐことが大事だっていうことを理解されると、現状の外側にゴールを設定することそれが大事なんじゃなくて批判理論の批判的理性をしっかり持つこと。現状維持は現状維持でいいんですよ、いいんですけど現状維持が悪いと思った時にちゃんと抜け出せるかであったり、現状維持をしてても結果がどうなるかっていうことを時々疑ってみる姿勢みたいな感じですかね。その批判的理性を持つことが大事だってわかれば、これは現状維持でいいんだっていうのも見えてきますし、これは現状の外側にゴールを設置しなきゃいけないものなんだなっていうことがわかるかと思います。 

角井 なるほど。じゃあ批判的な目が大切ってことですね。視点っていうのかな 

沼田 そう。何でもかんでも現状の外側に設定するんじゃなくて「現状を疑う視点、マインドを常に持っておくこと」それが一番大事なんだよってことを今回一番いいたかったので言わせていただきました。 

角井 大切な視点ですね。結構現状を疑うことっておろそかになっていることもあるのかなって気がしました。見つめてみるってことですね。ありがとうございます。「なぜ現状の外側にゴールを設定しなければいけないのか」ですね。皆さんはどうでしょうか。沼田コーチの素晴らしいお話、なんとなく想いが伝わってくる感じがします。 

自分の活躍よりも自分の役割が必要なくなる判断をすべき

角井 お招きしているプロフェッショナルコーチの皆様に「いい人からのいい言葉」ということでいい言葉をいただいております。そのお話をしていただきたいなと思います。 

沼田 はい。私がこれいいなって思った言葉があるんですけどそれはその「藍坊主」っていうロックバンドの「ブルース」っていう曲の歌詞なんですけど冒頭で ”祈りの主よ あなたの望みは 自分の活躍ですか?それとも自分が要らなくなる日ですか?” っていう言葉があるんですよね。 

角井 深い言葉ですね。 

沼田 自分の活躍を望んでいるのかそれとも自分がいらなくなる日を望んでいるのかっていう問いみたいな言葉なんですけど、それがすごい僕の中でグッてくるものがあって。世界平和をしたいみたいなゴールを立てるじゃないですか。でも、本当は自分が活躍したいだけなんじゃないかみたいな。なにかこう崇高なゴールを立ててもそれは単に自分が自己利益のためにやりたいんじゃないかっていうことをすごいなんか思わされることがこの歌詞を聞いたときに自分が活躍したいっていう欲が強いなって思わされることがあったんですよね。でもやっぱりそのなんですかね利他的に行動しようって思うと自分の活躍よりも自分そのものが必要なくなる、自分の役割が必要なくなるという判断をすべきだと思うんですよね。役割って医者とかもそうですけど、本当はない方がいいっていうじゃないですか、だけど世の中から病気が消えちゃうと医者は医者として働けなくなるわけで。コーチも一緒で実は戦争がなくなるとコーチとかも必要なくなるんじゃないかと個人的には思っていて。 

角井 みんないい人になっちゃったらね。 

沼田 そうなんですよ。みんないい人になってみんなコーチングができてその時に自分を殺せる覚悟があるかなっていうのを結構考えさせられて。自分の役割を消してでも戦争と差別をなくせるのか、その瀬戸際に立った時に自分を殺せるようになろうっていう決心を歌詞を聞いたときに思いました。色々深い曲を歌ってくれているので。 

角井 藍坊主ですね。 

沼田 戦争と差別のない世界ってなかなかイメージつかないじゃないですか。そのイメージがつかないのは自分がまだコーチでいるっていう感覚があるからなのかなって最近思って。自分がコーチですらない世界が多分戦争と差別のない世界かなって気がします。 

角井 ということで沼田コーチからのいい言葉、胸に響きますね。本当にありがとうございました。沼田コーチのお話でした。 

@numatayoshiyuki

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